八代目林家正蔵一門の二代目橘家文蔵に入門。がっしりとした体格とドスが効いた威勢の良い口調で、「らくだ」の兄貴分や「天災」の八五郎など、豪快な「乱暴者」キャラを見事に演じる。落語界においても特異な存在感を放つのが、橘家文蔵だ。
「前座噺」と呼ばれるシンプルな構成の演目や、落語ファンにとってお馴染みの演目でも。破壊力抜群の人物描写と同時に、登場人物の心理を丁寧に繊細に表現する話芸と、随所に織り込まれるテンポの良いギャグで、観客を爆笑の渦に巻き込んでしまう。
2003(平成15)年からは、『BS笑点』に出演し、強面キャラを存分に発揮したパフォーマンスで人気を集める。
亡き師匠の得意ネタに挑む独演会『文蔵プレミアム』をはじめ、自ら座長・脚本・演出を務める『ボク達の鹿芝居』、『落語協会 大喜利王選手権』でプロデュース・司会を務めるなど、多才ぶりを発揮している。
そして、入船亭扇辰・柳家小せんと組み、フォークユニット「三K辰文舎(さんけいしんぶんしゃ)」では都内の落語会やライブハウスだけにとどまらず、全国各地の落語会で楽曲を披露している。
コロナ禍の2020年には、後援会「文蔵組」を結成すると同時に、いち早く業界初の無観客生配信落語会『文蔵組落語会』を全世界に配信。開始からの1か月で生配信の総視聴者数が延べ5,000人を記録し落語界に一石を投じ、オンライン配信落語会のパイオニアとしての地位を確立した。